『情炎』


『浮雲』を観て以来、女優岡田茉莉子が気になってる。
今回観たのは、岡田茉莉子の夫でもある監督吉田喜重とのコンビ作。
これもまた岡田茉莉子の存在が圧倒。そしてなにより美しい。

夫に「冷酷な女」と言い放たれながらも、
クールな表情を崩さない人妻織子。
けれどその奥には、
身を焼きつくすほどの情念に苦しみもがいている。

ブニュエルの『昼顔』のような、
ポランスキーの『反撥』のような
(どちらもドヌーヴだね)。

映像は、墨と半紙のようなモノクロで、
モダンかつスタイリッシュ。
現実と幻夢のアヴァンギャルドなシーンが絡んで、
『去年の夏マリエンバートで』のような、
『恋人との時間』のような。

時々響き渡る耳をつんざくようなフリージャズが、
60年代後半の作品ということを思い出させる。

p.s.
「男と女のことだからね」
という台詞がでてくるんだけど、
それって・ははーん、
そういう意味か!
と、初めて理解しました。
いつも十年くらい遅いです、
気がつくの。

監督:吉田喜重
原作:立原正秋
撮影:金宇満司
音楽:池野成
(1967/松竹)

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